■森のお友だち■
ある森にウサギちゃんとクマくんとキリンさんとリスちゃんとブタくんがいました。
ある日、5ひきはかけっこをしてあそぶことにしました。
1とうしょうはウサギちゃんで、そのあと、キリンさん、クマくん、リスちゃんがゴールしました。
だけど、ブタくんはなかなかゴールできません。
ほかの4ひきがまちくたびれたころ、ブタくんはやっとゴールにたどりつきました。
「ブタくん、おそい。わたし、1ばんについたから、たいくつしちゃった。もうノロマなブタくんとはあそばない」
ウサギちゃんは言いました。
ブタくんはいっしょうけんめいはしったのに、かなしくなって、ひとりぼっちでなきだしてしまいました。
4ひきは、こんどはおにごっこをすることにしました。
ウサギちゃんがオニになりました。
ウサギちゃんは足がはやいので、キリンさんとクマくんはすぐにつかまえられましたが、小さくて、ウサギちゃんがのぼれない高い木の上にもスイスイのぼってしまうリスちゃんをつかまえることはできませんでした。
「リスちゃんズルイ!みんなが行けないところににげちゃうんだもん。そんなのおもしろくないから、もうあそんであげない」
ウサギちゃんはそう言いました。
リスちゃんはからだが小さいので、すぐにつかまってしまうから、みんながおいかけてこられないところににげただけなのに、かなしくなってないてしまいました。
するとそこにブタくんがやってきました。「リスちゃん、どうしたの?」
「ウサギちゃんに『もうあそんであげない』って言われたの」
「じゃあ、ぼくとあそぼ。ぼくもひとりぼっちだから…」
「ホント?さっきはなかまはずれにしてごめんね」
こうしてブタくんとリスちゃんは2ひきであそぶことにしました。
さて、ウサギちゃんたちは、こんどはかくれんぼをすることにしました。
キリンさんがオニになりました。
キリンさんはくびが長いので、とおくにかくれていても、すぐにウサギちゃんとクマくんを見つけてしまいました。
「キリンさん、すぐに見つけてしまうからオモシロクナイ!もうキリンさんとはあそばない」
ウサギちゃんは言いました。
キリンさんは生まれつきくびが長いので、かなしくなってなきだしてしまいました。
そこにブタくんとリスちゃんがやってきました。
「キリンさんも、ウサギさんに『あそんであげない』って言われたの?もしそうならぼくたちとあそぼうよ」
ブタさんは言いました。
「いっしょにあそんでくれるの?さっきはなかまはずれにしてゴメンネ」
さて、2ひきになってしまったウサギちゃんとクマくんはすもうをとることにしました。
でもウサギちゃんとくまくんでは、からだの大きさがちがいますから、なんかいやってもうさぎちゃんがマケてしまいます。
「クマくんとふたりであそんでもツマンナイ!もうクマくんとはあそばない」
ウサギちゃんはそう言ってひとりで向こうに行ってしまいました。
クマくんはかなしくなってないてしまいました。
そこにブタくんたちがやってきました。
「ぼくたちとあそぼうよ」
「うん、さっきはなかまはずれにしてゴメンネ」<
そのころ、ウサギちゃんはじぶんがひとりぼっちになったことに気がつきました。
向こうのほうでみんながたのしそうにあそんでるこえがきこえてきます。
ウサギちゃんはかなしくなってないてしまいました。
「ウサギちゃんも、ぼくたちといっしょにあそぼうよ」
ブタくんがウサギちゃんのちかくにきて言いました。
「わたしとあそんでくれるの?」
「うん。もう、みんなをなかまはずれにしないならあそんであげるよ」
ブタくんが言うと、みんな大きくうなずきました。
「もうなかまはずれにしないよ。みんなゴメンネ」
こうしてウサギちゃんたちはもうケンカすることなく、いつまでもなかよくあそびましたとさ。
☆おわり☆ |